「どうしても・・・・
オムライスが食べたい。」
と言う謎の意見が登場したある日の昼食前。
私は昔は洋食好きだったが、今はそうでもない。
理由は唯一つ。
味が近いやつなら家でテメーで作ることが出来るから
以上だッッッッ!!!
カキフライや長時間に込んだデミ、ガチのカニクリームコロッケとかならまだしも、大抵のモノは作れる。
自分である程度気軽に作ることが出来るモノに金を支払う必要はない、というのが昨今の私の持論である。
つまり、だ。
結果として、私は洋食「屋」の知識がほとんどないのである。
妻を車に乗せて、妻のナビに従い目当ての洋食屋を目指す。現在時刻11:25。
目的地の開店時間は11:30で、比較的家から近い店だ。
駐車場に到着し、妻が振り絞る様な声でこう言った・・・。
「この店・・・オムライスの提供・・・
三年前に終わってる・・・。」
ちゃんと調べておきなさいッッッッ!!!
しかし、目と鼻の先には山王。
比較的なんでもある秋田の中でもよりどりみどり地帯。
そこに向かって進んでいくと
「あの看板の店にもあるみたい。」
満を持して、最高の店構えの食堂の暖簾を潜った、と言う訳だ・・・。
良いぞ良いぞ・・・。
何と言うオールドスクール的カツカレーの登場か・・・。
奥におわしますキャベツの千切りと福神漬はまさにいぶし銀の様相を、そしてとにかく雑に散らばるタマネギの欠片軍団はカツを覆うようでまるで覆っていない。
見た目からでもサクサクの感じがするこの薄いカツが、定食屋のカツのある種の醍醐味でもある。
しかし・・・不思議な香りのするカレーだ。これはスパイスカレー的なヤツではなく、完全に日本風・・・。
実に楽しみだ・・・。
ぬぬぬぅ・・・この風味の正体は・・・
MI…SO…か・・・ッッッッ!!!
カレーの隠し味に味噌を入れることで不思議なコクが出るのは重々承知してるが、この砕け散るほど煮込まれた、ベースのカレーが力強いからこそ味噌のパンチをいい意味で消してくれている。
このしっとりAMAMEなところも実にニクい・・・。定食屋のカレーはこうでなくては!!!
事前にカツにカレールーをかけてきた、と言うことはカツの下味は薄目と判断。
事実その通りで、絶妙な厚さも相まって実に食べやすいカツだ。サクッと食感は当然で、噛みしめる肉の味が次第にカレー色に染まっていく・・・。
であれば、だ。
私の様な「例の調味料大好き野郎」は、このカツカレーにいつものアクションを起こさずにはいられない。
見事に染め上げられ、こっちが完成品なんじゃないか?と思いたくなるソースのパワー。
私の体の15%はソースで出来ている、と言っても過言ではない。
カレーとカツとソースの渾然一体を味わうべきだ。甘めのカレーに酸味が加わり、しかし、家庭の味とは一線を画す定食屋のカレー・・・お見事です・・・!!!
ごちそうさまでした。
漬物は無料サービス。良い塩梅に使っている漬物は「完全に秋田県人仕様の塩分」であるからして、大量に食べるのはオススメしない。
しかし、この甘めのカレーの後に食べることで一服の清涼剤の役割を果たしてくれている。
因みにこの食堂、メニューの数が有りすぎて上手く判断できないので、もし行かれる場合は・・・要予習でしょう!!!
山王の端付近だが、先程も述べさせて頂いた通り、ここら辺は秋田とは思えない飲食店の多さだ。
市役所・県庁・裁判所等が連なり、しかし、だから客が簡単に来るか、と言えば当然そうではない。
客が来るにはそれなりの理由がなければならないのである。
そろそろ12時。
これから客が殺到するだろう。
私はだいたいこの食堂の前を車で通り過ぎるとき12:00〜13:30くらいの時間が多いが、駐車場に空きがあるのを見たことがない。
我々の退店の際、入れ替わりで入店してきた作業服のおっちゃん。
入るなり席につくと・・・
「醤油大盛りで。」
「はい、肉鍋醤油一丁!!!」
なんで通じるんだッッッッ!!!???
醤油と付くメニューは4種類以上あるのに・・・。
これが・・・常連とのやり取りか・・・。
ふつ映さん!!!
いつもありがとうございます!!!