誕生日なんて「死」へのカウントダウン。
敢えてアップではなくダウン。
そう言う意見もあるかもしれない。
しかし、ある種万国共通の恒例行事。
私は自分の誕生日を祝われても、特になんの感情も湧かないつまんない野郎だが、喜んでくれるなら基本祝う。
「何が食べたい?」
と言う私の問いに、返ってきた答えは
「中華料理」
と言う解答であった。
とすれば、この付近にある中華料理屋はなかなかの価格設定を誇る。
まぁ天ぷらに比べりゃ全然安いもんだ、と思いその日を迎えた。
当日、夜。
玄関から一歩出れば、これがとんでもない強風&小雨。
霰よりタチが悪いのでは?と疑問に思わざるを得ない威力の天候は、私個人はどうでもよかったが、完全に「妻の、中華料理屋までの道程を歩く意気込み」を完全に削ぎ落とした。
「寿司にしよう?」
「は!?なんで?」
「もう寒くて歩くの無理・・・・・・。」
・・・・・・・・・・・・・・。
気付けばこんなお通しが・・・・・。
吸盤美味いよ、吸盤・・・。
カニカマときゅうり、そして吸盤の酢の物、なんて言われた日にゃあ、ビールなんて飲んでいる場合じゃねえ!
と言うことで・・・・。
麦のソーダ割り。
私は普段これしか飲まない、と言う位、麦のソーダ割り野郎。
ただ、水みたいに飲んでしまうので、注意が必要だ。
まさかのヤリイカ一本!
コイツは危険な奴だ!!!!
しかし、目を離している隙に「耳の部分」は全てなくなっていた。
まぁ誕生日ってのはそんなモンさ・・・。
ただ、だ。
俺がトイレに行っている隙に「イカ耳焼き」を注文するって、どんだけ耳が好きなんだッッッッ!!!!
奥から
炙りサワラ
目鯛
て言うか目鯛が美味過ぎてちょっとビビった。
白身は「その奥」に味わいがあり、微細な違いを楽しむことが出来るのが良い。
妻は、と言うと信じがたいペースでマグロを口に放り込んでいる。
ニンマリした後、日本酒(天寿)をカマすスタイルは、まるで全日のレスラーの様である。
何故・・・・寿司屋に煮込みが・・・・・・。
ぬぅ・・・・・・・・・
甘(旨)えッッッッ!!!!!!!!
なんだと・・・・・・
こりゃあ日本酒でも味醂でもねえッッッッ!
私は気になって板さんに確認。
「すいません、この甘さって?」
「あぁ、それザラメです。」
そうきたか・・・・・。
やってくれるぜ・・・・・・。
「ワタアメの原料なんだから、やっぱりザラメが優勝!」
と、隣で喚いているのは果たして本当にうちの妻か果たして怪しいし、なんの括りでの優勝なのかサッパリ分からないので、取り敢えず無視しよう。
最近の〆はやはりこの謎軍艦。
ギバサ
アワビ
イクラ
の三種の神器。
全ての食感が渾然一体となった時、人類は皆平和になる。
これはマジで旨い軍艦だ。
ごちそうさまでした。
やはり、困ったときはココ。
味も素晴らしいし、店員さん皆最高。
ちょくちょく知らない人たちも増えてきているが、それでも来る価値のある店の一つと言えよう。
マジで、チェーン店とは思えねえッッッッ!!!!
「あ、お兄さ~ん、次の店決まってます?」
コイツバカか・・・・。
酔った妻が今俺にしなだれ掛かってんだぞ・・・。
「あぁ、もう帰りますんで。妻もいますし。」
「じゃあ・・・
妻ちゃんも一緒にどうですか?」
「行きたい!」
テメーら黙れッッッッ!!!!!!!
妻は担いで連れていった。
超酔ってた・・・・・。