シンプルな味を追い求めて・・・
やはりここに辿り着く。
上司の体調不良のお陰で私の業務量はなかなかのモンである。
とにかくここで私が倒れる訳にはいかない。
こんな小さい会社でも、顧客は少なくない。
普段二人で回るところを全て一人で回るのが酷な訳では無いのだが、とにかく今回はタイミングが悪すぎる。
しかし、だ。
威厳だけで仕事をしている、謙虚さまるでゼロの上司。
正直足を引っ張っている感じしかしない。
よって、いずれ来るであろう現状のために、脳と体を慣らしておこう、と前向きな思考にシフトすることにする。
それでも暑さと労働量は次第に私の体力を奪う。
結局のところ、大事なのは
何をチャージするか
よりも
何処でチャージするか
である。
こんな「王様のレストラン」のフレーズを出し、大義名分を掲げた私は朝っぱらから、例の赤い看板へライドオン。
自身を喜ばせようと思った、と言う訳だ・・・。
東日本でではって言うか東北では馴染みの薄い「ネギの青い部分」がこれでもかと言うほど主張している・・・。
この部分に関しては緑黄色野菜に数えられるため、この日差しのもとで皮膚の免疫力を上げろ、と言うことか・・・。
そして今日もノスタルジックな見た目とは裏腹に、旨味の権化みたいな香りがとんでもないぜ!!!
ぬぬぬぬぬぅ・・・体が欲する・・・
A…MA…SA…だ・・・ッッッッ!!!
実に・・・何と滋味あふれる味わいであろうか・・・。
疲れた体かつ、朝の胃袋に染み渡る、鬼の鶏ガラベースのスープは、体を奮い立たせてくれる。
見た目通りの味ではなく、奥行があるのが陸王の特長であり真骨頂。
「あぁ〜・・・」
とため息がこぼれているのはナイショの話にして頂きたい。
私が通い始めて、初代の麺はカン水特有のツーンと来る香りも魅力の一つではあったが、今年5月の陸王長期休みを隔て、カン水くささゼロ&ちょい細めになって生まれ変わった麺。
しかし、今日の麺は上記の二つの間の様な麺だ。
カン水臭さは勿論無く、しかし、先日の細麺よりも太い。
これは・・・まさにパーフェクトの予感だ!!!
でけえ・・・。
でけえって言うか・・・広ぇ・・・。
久し振りのチャーシューを頼めば、ただの単行本サイズときたもんだ・・・。
食感は、「肉を喰らえ」と言うまさに原始の発想。
このチャーシューは、やはり他では食べられないだろう。
そして隠れた主役の麩。
この麩の見た目でノスタルジックに拍車が掛かりそうなもんだが、吸収したスープと共に食べれば、それが幻想だと気付かされる。
とにかく・・・ハイブリッドなんです!!!
海苔パーティー。
て言うか海苔大好き。
ラーメン屋の海苔は大概美味いが、そのラーメンと合うかどうかは食べてみないとわからない。
陸王には煮干中華そばがあり、そっちの方が海苔との相性は良いだろうが、とにかく食べたいのだからしょうがない。
今日の味玉は最初から卵黄が大爆発。
しかし、美味いから関係無いのである・・・!!!
ごちそうさまでした。
いやぁ・・・こんな朝っぱらからこんなに美味いモンが食えるのだから、私は幸せなのだろう。
本日も引っ切り無しに来客が止まらない。
特に、この時間に「異次元の量」を補給しているのは、夜勤の方々。
陸王で腹一杯食べて、即就寝・・・。
それが一番・・・幸せかもな・・・!!!
そんなこんなで、一日が過ぎて行く。
忙しいのはしょうがないが、しかし、上司と顔を合わせる必要が無いので、作業効率が抜群だ。
やはり、いない方が良い。
何より・・・俺の・・・
ストレスが何もねえ・・・ッッッッ!!!
三日天下にならぬ様、祈るしかあるまい・・・。