どうしても消えないらしい・・・
餡掛けと言う名のの欲求が。
妻がこうなりだしたらある種もう終わり。
それは突如として来るモノではなく、何か、こう徐々に沸き起こるモノであるらしい。
「久し振りに五右ェ門行きたいな・・・。」
と数日前は小声で囁いていたくらいの主張が、ピーク時には
「考えすぎて逆に行きたくなっていることを忘れる」
と言う珍事態にまで発展するから奇妙である。
この日、どうしても水を大量に購入したいと言うことから、それぞれ一人ひとりでの買い物は止め、何かを食べに行き、その帰りに買い物をする約束をする。
「何か食べたいモノは?」と言う私の問いに
「よし虎」
と答える妻。
その通りに行ってみると臨時休業。
「あぁ・・・もうこの世は終わりだ・・・。」
等とほざく妻に「五右ェ門は?」と提案すると、信じられないくらいの元気で
「賛成ッッッッ!!!」
最早悲しみは・・・微塵も無かった、と言う訳だ・・・。
ここは「あんかけチャンポン醤油」が売りのラーメン屋。
何度も言うが客の9割以上が上記のメニューを注文する。
本日も多分に漏れず妻を含めた全ての客があんかけチャンポン醤油を注文する中、当然のようにそれ以外を注文する私は異端中の異端。
ベビーコーンが具材から抜けたことを若干残念には思ったが、隠れた名作のスープの香りは本日も絶好調だ!!!
ぬぬぬぬぅ・・・何と言う・・・
YA…SA…SHI…I…味か・・・ッッッッ!!!
マイルドとも、淡いと言う表現とも異なる、本当の意味での優しい味・・・。
濃い目が好きな方々であれば、最早薄いと感じるのかも知れないが、これが五右ェ門の味噌ラーメン。
まさにいぶし銀の一杯としか言えないのだ。
あんかけチャンポン醤油
チャンポン塩
チャーシューメン
味噌ラーメン
の4つのメニューしかないのだが、全てのラーメンの麺は同じ。
あの尖ったチャンポンを食う際は丸みを帯びさせ、この優しい味噌ラーメンのときは優しさを倍加させる。
胃にも体にも優しいラーメンなのである。
人参
キャベツ
タケノコ
モヤシ
コーン
野菜たっぷりで、この点に関しても味の優しさが伝わるのではないだろうか。
ただ、ここまでは分かるが、ここの味噌ラーメンとチャーシューメンの恐ろしいところは
豚バラ
豚挽き肉
が放り込まれていると言う難解な点にある。
未だに・・・謎だぜ!!!
この店でチャンポンばかり食っている連中が一生会うことのないチャーシューは、実はこの店に置いて隠れた一品である。
そして同じくして味噌風味かつ甘めのメンマ。
実はこれもチャンポン勢の手の届かないところにある。
この二つを食っていないようであれば、五右ェ門ファンとは言えない、そう思うのだ・・・。
最後にこの店の卓上調味料の傑作。
オリジナルの辛味。
辛味に弱い方であれば、この量は完全に致死量。
是非注意して頂きたい。
入れた当初はこの辛味の味にスープの全てが侵食されてしまうほどの威力があるが、馴染んできたときのパワフルさは、元の優しさを損なわず最高の刺激となり得る。
完璧だ・・・!!!
ごちそうさまでした。
私があんかけを食べない理由、それは夜だから。
夜にこの量を食うと、待っているのは腹パン&即寝。
思いの外厳しい量なのだ。
私が食べ終えてから5分以上経過しているが、まだ妻の丼には3分の1程の残りがある。
まぁ・・・待望の一杯だ。
ゆっくり食えば良い。
俺は・・・コーンのサルベージだ!!!
公約通りスーパーにて買い物を。
水と食料を購入し、家路に着く。
しかし、日が長くなったモノだ。
天気は決して良い訳ではないのに、19:30でもまだ明るい。
今年は竿燈が復活するようで、囃子が各地から聞こえてくる。
前職の際は随分悩まされたが、今となってはいい思い出。
そんなことを考えながら晩酌していると、あのMから連絡が入る。
「もしもし。」
「あぁすいませんg13さん、今大丈夫ですか?」
「おぉ。どうした?」
「実は・・・一人で行ってもどうかと思いまして・・・g13さんをお誘いしようかと・・・。」
「・・・・・・ん・・・どう言うこと?結論を言ってくれ。」
「あのですね・・・一緒に・・・
トップガンを見に行きませんか?」
と言うことで、Mと一緒にマーヴェリックを見に行くことに・・・。