「え・・・・・
どういうことですか!??!」
聞けば、今まで何ヵ所も「お祓い→そこに安置」を寺社仏閣や、有名な霊媒師系にお願いしているのだが、
必ず自宅へ帰って来るのだと言う。
「別に、この人形が家にあるからと言って、何か悪い影響がある訳では無いのですが・・・。我が子の為に買ったのですが、娘は嫁いでしまい、娘も必要無いとのことで。
どうせいずれ処分するときが来るのであれば、我々の手で、と思っているのですが・・・ご迷惑を・・・・・・。」
そこまでで電話口で、その和尚は遮る。
「ちょっと待って下さい!!!」
和尚は提案した。
・もう一度やらせてもらいたい
・次の費用は無しで構わない(送料も)
・お焚き上げではどうか
執念の説得により、老夫婦も承諾。
再度送られてきた日本人形を目にして、和尚の気合は十分。
その日の業務終了後、部署の修行僧を引き連れて焚き上げ専用の祭壇へ。
燃やす木の上に人形をセッティング。
準備、道具をパーフェクトにして、いざ・・・お焚き上げ開始!!!
私も詳しくは分からないが、だいぶパワーのあるお経を唱える。
くべた木がバチバチと勢いよく燃え上がり、お経を読むモノたちへの熱気も凄まじい。
火は収まってはいないが、儀式自体は終了。
火が弱まったのを確認して、安全確認をして覗き見る・・・・・・・・・・?!?!??!!!
何にも燃えてねぇッッッッ!!!!!!!
今回は鶏ガラにゲンコツも加える。
ミリン
酒
昆布
醤油
出汁醤油
すりおろし生姜
そしてネギの青い部分
圧力鍋で20分、いけぇッッッッ!!!!!
鍋の内側とネギに、大量の灰汁がくっつくので、それをざっと取ったら、濾す。
ガラから出る水分を切り、粗熱を取ったらガラから肉を剥がす作業。
この段階でビール片手に剥がした肉を食えるのは、この緻密な作業をしているモノの特権である。
あとは・・・仕上げだ!!!
完成だ。
ほぐした肉。
そして煮込んだ際に浮いてきた脂で炒めたネギ。
軽く柚子の皮を乗せて、後は啜れぃッッッッ!!!
鴨南蛮風にもなるので、やはり家庭ではこっちの方が失敗しないモノが出来るような気がするな・・・。
ちょっと着物の袂が焦げたかな?位で、髪に関しては綺麗なまま。
灰を被ってちょっと汚れた程度にしかなっていない。
恐れるどころか、逆にキレる和尚!!!
まさに洒落怖の「寺生まれのTさん」を彷彿とさせる!!!
しかし、その和尚にそんな異次元の力があるわ訳がない。
そんな和尚の下した決断・・・それは・・・・・
人員増&読経時間延長・・・ッッッッ!!!!
熱い発想だ・・・・・!!!!
次回、ラストです。