深く吸い、
深く吐く。
一人、別の喫煙所で、息を整えながら缶ビール片手に一服。
て言うかあのラズベリーはどういうことだったのだろう・・・・・。
まぁ良い。
覚えていて本当に良かった・・・。
失敗していたり、構成を間違ったらえらいこっちゃ・・・・。
TRICERATOPSは当時GRAPEVINEとある種の二大巨頭。
日本のミュージックシーンに突如
「キャッチー目なオルタナティブロック」
を引っ提げて登場したモンスター。
人を選ぶが「聞く人が聞けばドはまりする」と言うのは、よめちゃんさんにはお分かり頂けるであろう。
など、まだまだ強者は存在し、またオルタナティブロックの起源をネタにして書くと、とんでもない内容になるので、ひとまずこれで。
一息付いたし、ちょっと時間が経過したのでロビーに戻ると同級生のYKが一人タバコを吸っている。
例の「Gの靴に缶ビール事件」の犯人だ。
ギターの腕はとにかく凄い。
明日、満を持して「インペリテリのラットレース」を演ろうとしているこの男は、サークル屈指の腕の持ち主である。
「お疲れ。」
「おぉお疲れ。」
YKの正面に座り、タバコに火を着ける。
「g13さぁ、メタル系の曲叩くのって今回が初めて?」
「当然でしょ。4年間でドラムセットに座って練習したのなんて・・・・多分・・・60時間くらいしかないんじゃない?」
「ハッハッハッ、マジかよ。いやね、さっきの聞いてたら、結構勿体無いなと思ってね。」
「何が?」
「多分、まともに練習してたら、相当上手くなってたんじゃないかな?」
・・・・・・・・まさか・・・・・・YKからそんなコメントを貰う日がくるとは・・・・。
私はこの時、素直に嬉しかった。
この学年で私だけが特別なスキルも無く、ドラムも大学から始めた(他の連中は中学からバリバリ)。
今まで同級生から「笑い」の部分で褒められることはあっても「演奏」でそんなことを言われたことは無いし、言われるとも思っていなかった。
「そうか・・・・でも、もう叩くことはないだろうからな・・・。」
「そうだな。俺も弾くこともなくなるな。」
卒業生2人がたまには真面目な会話をして感傷的になっている。
しかし、である。
これぞ、我がサークル。
こんな空気を完全に崩壊させる一報が届くのは、2人でしみじみタバコを消したのと同時だったのかもしれない・・・・・。
ドタドタドタドタ!!!!!!!
「早く水持ってこい!!!!!!」
「ダメだろ!!!それじゃあッッッッ!!!!!」
これまた同級生のWが血相を変えてこっちに走ってくる。
「なに?W、何かあったの?」
「Sが酔っ払い過ぎて・・・・・
スピリタスに火をつけた・・・」
・・・・・・・・・・・。
ボールにタラコとバターを準備しておく。
フライパンに200cc程度の牛乳を張り加熱する。
沸騰し始めてきたら、ピザ用チーズ軽く一掴み入れて、溶かす。
軽くダマになった方がパスタによく絡むので大丈夫。
サッと水分を飛ばしたら
先程のチーズ牛乳をボウルに入れて和える。
即パスタを上げ、和える。
全体に絡まったら盛り付けだ。
完成だ。
仕上げに大葉と、タラコの切れ端をドン。
固めたチーズとタラコがパスタにガンガン絡む
は、体に悪いモノ程美味い、と言う錯覚を引き起こす可能性があるが、んなことはない。
全ての原因は食べ過ぎかつ偏り過ぎ。
注意していれば、大丈夫だ!!!!!
「は・・・・・・?」
「いいから行ってみろよ!!!」
宴会場にダッシュで行ってみると、もう既に気化しているようだ。
火はほとんど上がっていない。
宿の備品である机も被害はなさそうだ。
まぁスピリタスに火をつけたって、つける場所が大したこと無ければ問題ない。
燃えやすい部分で無く良かった。
宴会場は軽いボヤ騒ぎで、多少騒然としていた。演奏中のバンドも「なんか白けた」と言う理由で演奏を辞める。
だから酒の弱い奴は・・・。
「バ・・・・・・」
は!?????!!!!???
なんだよ、「バ」って・・・。
そこにいる連中全てに、Sは「謎の」悲痛な叫びをあげたのだ・・・・。
「デ・・・・・
デロリアンってこんな感じかなってッッッッ!!!!!」
机にスピリタスで二本の線を書き、それに火をつけることにより、デロリアンの「あのシーン」を再現したかった、と言う。
やはり、酔っ払いは怖い・・そう思ったのだ・・・。
ふつ映さん・・・・・飯テロ・・・申し訳ないですッッッッ!!!