Tを軽く〆て、宴会場に戻る。
どうやらそろそろらしい。
LOUDNESSは何度も言う通り一曲だけだから、良い塩梅の時間、21:00位に放り込まれた。
そろそろ、だ。
嫌が応にも緊張が走る・・・。
一応メンバーには「良い」とは言われたが、それでも自信が無いことに代わりは無い。
もう1本位タバコを吸っておくか・・・。
と、最早精神安定剤代わりの働きをしているタバコを握り締めロビーに走る。
M―1の決勝の楽屋並に手が震えている私は、もう覚悟を決めるしか無い訳だ。
気付けば勢いで持ってきてしまったのだろう。記憶は無いがコーヒーのブラック、コップ一杯分が私の手に握り締められている。
「g13さん、次の一曲終わったら出番みたいっす。」
と、気付けば二つ下の後輩のMだ。
コイツも喫煙者のため、2人でタバコに火をつける。
「俺も演りたかったっすね。g13さんと。」
「何言ってんの?お前らとじゃ釣り合わないよ。Rと演った方が絶対楽しいだろ。」
Rは同級生のドラマーで、出稽古を繰り返した結果、鬼の技量を身に付け、素人とは言え「丸3日規模のフェスのトリ前を飾るバンドのドラムを務めた」レベル。
とんでもないブルース野郎だが、その過程で「鍛えられ過ぎて」学祭で初めてコピーしたのに「過去最高のチャド・スミス(レッチリ)」と言われたのは記憶に新しい。
「でも・・・Rさん、なかなか学校でも総会でも見ないですし、結局仲良くなれなかったって言うか・・・、なんか・・・表現難しいっす。
でも、アレですよ、g13さんと演りたいって言ってる奴らって、思っているよりも遥かに多いと思いますよ。」
「・・・・・・そんなモンかね~・・・・・・。」
何故そんなことを言われるのかは分からないが、とにかくそうらしい。
そして、そろそろ、だ。
「悪ぃ、M。俺先に行くわ。」
「分かりました。俺も楽しみにしてますんで。」
「おい、辞めてくれよ・・・期待すんなよ・・・。」
と残し、私はコップの中身を全て口に放り込み、飲んだ・・・・・・・・ら・・・・・・・・
これ、カルーアの原液じゃねーかッッッッ!!!!!!!!!!!
まずは事前に合わせダレを作っておく。
黒酢
甜麺醤
オイスターソース
醤油
酒
味醂
マキシマム
片栗粉
を混ぜておく。
粗びき肉・ズッキーニ・シメジを炒める。
本当はエノキが良かったのだが、買い忘れた・・・。
特にエノキの根本が良く合うのだが・・・ま、まぁしょうがない。
軽く塩を振り、鍋をブン回す。
全体に火が通ってきたら豆腐を入れ、水分が飛んできたら
合わせダレを入れて撹拌。
で、だ。
完成だ。
ナイススパイスが鼻腔をくすぐり、食べては肉と豆腐にアクセントを与えるシメジ。
そして若干の酸味が心地よい。
ここで、敢えて言わせて頂く。
以上だッッッッ!!!
何でコップ一杯丸ごとカルーアなんじゃッッッッ!!!!
これ、俺のミスか???!!!
仕込まれたんかッッッッ!!!!!!
甘ぇーし急に飲んだし!!!マジで最悪じゃッッッッ!!!
多少クラっときて宴会場に戻ると、ちょうどメンバーがセッティング中。
私はここでも軽くクラっときながら、簡単にセッティングを終える。
準備完了・・・そのときだ・・・・。
ギターのDがマイクを握り締め・・・
「今日は・・・・・g13さんと・・・・・・・
LOUDNESSだぜェェェェッッッッ!!!!!!!ヨロシクゥゥゥゥッッッッ!!!!!!
g13さん・・・・・・最初で最後の・・・・・・
メタルかましていくぜェェェェッッッッ!!!!!
オラァァァァッッッッ!!!!!」
🎶ギュオーンッッッッ!!!!
デーデデデデデデデーッデーッデ
デーデデデデデデドリュリュリュリュデレデレデー🎶
そんな・・・入りなの・・・・・・!!!!!!!????
豪快に始まっちまった・・・・・・・。
逆にカルーアで良かったのかもしれん・・・・。
Pちゃんさん!!!かなりの店と親父ですから、気合いを入れて行ってみてください(昔は看板もなかった・・・)!角館は観光客向けの調子に乗った飯屋が多いですから、来られる際は一報を!!!
ふつ映さん!!!!!何が潔いって、まず親父の見た目!!!そして店内にポツポツと存在する無駄なモノ(釣り用リールとか壊れた携帯電話とか)!!!
さすがの店なんです!!!!!