何時も掌の上。
同じ景色は一度として無い。
果たしてそんなことが許されて良いのだろうか?いや、良い。
と言う謎の反語がまかり通るこの店においては、私程度のプチ常連でも多少の緊張感はある。
外は生憎の雨。て言うかどしゃ降りだ。
本来、実家での草刈りを予定して、昼前に帰る予定が、このバケツをひっくり返した様な雨のせいで中止。
まぁ小屋を修理に来ている大工すら休みとなるレベルの雨、となればしょうがあるまい。
少し早く実家を後にし、秋田市内へ向けて車を走らせる。
ワイパー全開でなければ視界も覚束ないバチバチの豪雨をくらいつつ、山道をフルバースト。
市内に入っても雨足が弱まる気配はまるで無い。
しかし、雨の運転は疲れる。
そう、だから・・・私は癒しを求めに「あの、赤い営業中の看板」をめがけて走ったのだ・・・。
「あ、油そばのコツコツ少な目で。で、ご飯半分でお願いします。」
「は~い。」
私のコールが済み、その後「超常連」と思われる猛者が入店。
おそらくあの方には「見たことも無い様なラーメン」が提供されるのだろう・・・なんて思いながら待つ。
厨房を覗くと、店長が何やら丼にマヨネーズをインし始めた。
「やべーな、ありゃ・・・。」
なんて思いながら、水を一口。
さぁ・・・着丼だ・・・・。
・・・・・・・・・・・???????
・・・・・・・・・
俺のだったんかい・・・ッッッッ!!!!!!!!!
また殺られたのかッッッッ!!!!!
また殺られたのか俺はッッッッ!!!!!!
マヨネーズ
フライドオニオン
ジャンクの三種の神器総結集じゃねーかッッッッ!!!!!!
店長ッッッッ!!!!!
どういう心持ちなんじゃッッッッ!!!!!!
普通に無意識に「ありがとうございます!」って言っちゃったじゃねーか!!!
こりゃあ・・・・テンションしか上がらないぜッッッッ!!!!
ぬぬぬぬぅ・・・・・・やはり・・・・・
A...MA...ME...だ・・・ッッッッ!!!!!
問答無用のたまり醤油ベースの甘さとキレ!!!
何度も食ってもこちらが平身低頭せざるを得ない暴虐の味は私を虜にする。
なんて危険な食い物なんでしょう・・・・!!!
これ・・・混ぜたら一体・・・・・・・
あああ・・・・
Ju...n...k...だッッッッ!!!!!!
なんてこった・・・・。
麺の「モチモチブリブリ」
ベビースターの「パリッポリッ」
フライドオニオンの「サクッ」
が口内で、とんだパーフェクトハーモニー・・・。
殺られた・・・・、完全に・・・・・。
そして・・・
マヨネーズごときに負けるはずが無いこの醤油ダレは、見事にマヨネーズを包括して、別角度からの旨味を提供。
良い意味で与えられる酸味が、より食欲を掻き立てる。
恐るべし、陸王の醤油ダレ・・・。
恐るべし、店長の力量・・・!!!!!
後から私の隣に座った兄ちゃんに「ガン見されている」のが痛い程分かるが、私が掛けられる言葉は無い・・・。
審査員が「その手の方々」であれば、
土門拳賞
も、あながち夢では無い「スーパージェニックな一枚」の完成。
何時もと異なり、実は三種の神器が物凄く良い仕事をしている。
ちょっと「マヨラーの気持ち」を認識することが出来た、そう言う一杯であった・・・。
ごちそうさまでした。
完膚なきまでの一撃を喰らった私は帰る際も
「ごちそうさまでしたぁ!ありがとうございましたぁ!」
と、練習試合の最後の挨拶みたいな謎の言葉を発し、店を出る。
「同じメニューが来ないことに感動を覚えるラーメン屋」は、少なくとも秋田に一軒存在するのである・・・。
同じ景色を見ようと思っていない、いや、見たくないと言う思いさえ既に持ち得る私は、もう狂っているのであろう。
入店した時点で釈迦の掌を駆け巡る孫悟空。
でも、だ。
楽しい孫悟空気分・・・・・プライスレス・・・!!!
運転中だったので、妻からのLINEに気付く。
雨はまだ、強く降り続いている。
満腹のなか、重い体を運転席に滑り込ませ、エンジンをかけつつ携帯を見る。
・・・・・・・・・・・・。
本屋に寄って・・・帰ります・・・・・・・。
Pちゃんさん!!!
もちろん生姜・ニンニクもアリですが、柑橘系で消したりすることも可能です!!!
困ったらカルパッチョ・・・便利です!!!