そのままHさんの携帯に連絡を入れ、ラーメン屋に駐車すると迷惑になるから、パチ屋に駐車。
「マジで何してんすかね。」
「全く・・・・・・・・あ、来た来た。」
こちらを確認するなり、全速力ダッシュ!
勢い良く我々の前で急停止し、そのまま直角謝罪。
「すいませんでした!」
の一言に一同爆笑。
あまりに美しい謝罪は人を笑わせる効果があるのでは、と勘繰りたくなるレベルの一品。
「さて、Tちゃん。急いでこっち来たからまだラーメン屋が開くまで30分弱あるけど。
て言うか何でパチンコ屋に行ったの?」
「そうですよ。Tさん。しかも金全部使うって。て言うかATMに行けば良いじゃ無いですか。」
KさんとOさんから、至極全うな指摘と質問が発せられる。
ただ、ここでHさん、G、そして私は少なからず気付いてしまった。
この3人とTさんの共通点は「パチンコ・パチスロ系を普段からやる」と言うこと。
それをしないKさんとOさんには気付かないことかも知れない・・・。
「ねぇ、g13くん、もしかして・・・。」
「あぁ・・・・多分。まぁここはHさんに任せよう。」
サークルの良心でお馴染みのHさん。
でもキレたらマジでヤバいHさん。
変な連中に路地裏に連れて行かれたが、黒のロングコートを翻し、無傷で煙草を吸いながら「よぉ、g13。飯でも行く?」と軽くコトを済ませるHさん。
そのHさんが、おもむろに煙草に火をつけ、大きくひと吸いし、Tさんの方を何も見ずに、こう言った。
「Tさん。
まだその台確保してるでしょ。」
顔がひきつるTさん。
驚愕するKさんとOさん。
「やっぱりね」としか言えない雰囲気のGと私。
金が無くなったのにATMに行けない、と言うことはこのパチンコ屋の性質上、「休憩時間内にATMから金を引き出すことが難しい」と言うことだろう。
休憩時間の制限は店によって異なる。
よって、Tさんが使用している口座のATMが近くに無く、仮にそこまで車で行ったとしても、休憩時間内に戻って来ることが困難と見るべきだ。
だからギリギリまで居座り、台に座って・・・
あれ・・・・・・何か矛盾が・・・・・・。
煙草をもうひと吸いしたHさんが・・・ただ一人、全てお見通しのHさんが、Tさんに追い込みをかける。
「Tさんさぁ、俺らをわざと呼んだでしょ。Kに連絡することで、まぁ連絡するのは誰でも良かったかも知れないけど。
しかもさぁ、普通に考えて開店から1時間半でパチンコでスッタンなら所持金15000円位で、まだ台を確保してるってことはチビチビ打ってる訳だから、実はラーメン一杯分くらいならまだ持ってるんじゃないんですか?。
加えると、俺、何度かここに来てるけど、休憩時間は1時間。近くにATMも郵便局もある。
地元のTさんが知らない訳無いですよね?」
完全にブラック化したHさんを最早誰も止められない。
「つまり、Tさんの口座に残高は無く、俺らから金を借りてもう少し打ちたい・・・・・・・。
フゥーーーッ。」
大きく煙を吐いたHさんが煙草を揉み消しながら、そしてようやく顔をTさんに向けて最後の一言をブッ放した。
「違いますか?」
怖ェェェェッッッッ!!!!!!!!!
残っていたチャーシューの残りを角切りにし、妻からの連絡があるまでは常温で待機。連絡あり次第レンチン。
材料は全て準備済み、であるから、副菜とスープを作る。
ニンジン1/3
大根1/4
を千切り(面倒だったので道具に頼った)。
塩多目の沸騰した湯で1分弱。
さっと水をかけたら、絞って水気を切る。
豆板醤 小匙1/2
ポン酢 適当
すりゴマ 適当
で簡単ナムル風。
角煮を作った際の「肉の漬け汁」を加工し、スープに(それを捨てるなんてとんでもない!)。
水をかさ増しし、味見をしたら、特に味付けの必要が無いくらい旨かったので、モヤシ・白菜を入れて火を通す。
さて、妻から連絡が入った。
ここからは中々、写真を撮ってる暇がないので、そこんとこヨロシク!
ノンストップのガンガン強火で。
鍋の手入れは怠っていないはずなので、このまま行こう。
直ぐに米を入れ合わせる。
個人的にはそんなにパラパラしてなくても良いので、決行適当に。
鍋を振るっていると「何か、良い感じ」の感触になるから、そのタイミングでチャーシューの2/3を投入し、ブン回す。
米を中央から奥、に追いやる。
出来たスペースを利用してネギを入れ、ネギだけにかかるように油を。
ネギから香りがたってくるので、そのタイミングで
マキシマム
醤油
で再度ブン回す。
完成だ。
ゴロッとチャーシューをオンすれば、お店っぽい絵面になる。
ちょうど良いボウルが無かったので、ちょっと平べったくなってしまったのは家庭料理のご愛敬と捉えて頂きたいモノだ。
「・・・・・あ・・・・・・・・あのさ・・・・・・・・もう少しで・・・・出ると思うん」
「もう少しって「いくら」使う事を示しているんですか?」
食い気味にTさんの発言に被せるHさん。
その言い回しにいつもの穏やかさは無い。
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「分かりました。」
と言って財布を開くHさん。
おもむろに5000円札を取り出し、Tさんに渡そうとする。
「ルールはこうです。
まず、この金は貸します。結果出なかったら出なかったで、ラーメン代も貸しますから、食べには行きましょう。問題はここから。
Tさんが勝った場合、です。
ラーメン代は全員分奢り。
1000円しか勝って無くても勝ちは勝ち。
赤字覚悟で皆に奢って下さい。
どうします?受け取りますか?どうしますか?」
ブラック化したHさんの圧は、物凄いが、この賭けは異様にTさんに歩が悪い。
しかし、今のTさんの脳は破綻している。
先程からHさんの出した5000円に目が釘付けだ。
地下に潜らされ、強制労働を課せられたカイジにしか見えない。
既に我々の目にすら「5000円が5000ペリカ」に見えてくるから不思議なモノだ。
そう判断した鬼畜連中はTさんが「正常な思考回路を取り戻す前に」悪魔の所業をし始める。
「じゃあTちゃん、俺も3000円なら出すわ。」
「俺も出しますよ。存分に、後悔の無いようにやれば良いじゃないですか。」
Hさん → 5000円
Kさん → 3000円
Oさん → 3000円
G → 1000円
私 → 1000円
計、しめて13000円(ペリカ)が集まる、とんでもない事態に発展。
Hさんが再度その金を持ち・・・
「もう一度確認します。
さっきのルールで、やりますか?やめますか?」
今回はなんの躊躇もなく、Tさんは豪快にその金をブン取り・・・・
「頑張ります!ありがとうございます!」
と、高らかに宣言した。
この世は「奪うか、奪われるか」。
群雄割拠の時代が到来した・・・。
て言うか・・・・・・
ラーメン食いに来ただけなんですけどッッッッ!!!!!
等と言う興醒めなコメントは、今回は遠慮した。
さぁ、どうなる?!
Pちゃんさん!エビもたまには良いモンです!
まぁ・・・・「偏ったラーメン」ばかりで申し訳ございません!